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乱筆乱文など

なんて「バイク」な奴だ

  2005/12/177月 7th, 20222 件のコメント
ポピニカ魂PX-03 金田のバイク

ポピニカ魂PX-03 金田のバイク

こことこは忙しい、なのに精神力が散漫してどうしょうもない。今週末には流行の風邪までかかってしまう。今日になって風邪がさらにひどくなり*1、とりあえず語学を語って紛らわそう。
ふっとQianChongさんの日記「怎麼那麼機車?」を読んで、私が知っている形容詞としての「機車(バイク)」の歴史を振り返ってみた。
実際の出現時期が良く分からないが、周りの人がその「機車」を使え始めたのはおよそ十年前、大学二年生(1995年)あたりのことだった。最初は「やなヤツ」の意味だと教えられ、その後「不上道(状況が分かってない)」だという解釈に納得。基本的には若者言葉だった。
なぜかというと、台湾の都市内道路は「快車道(真ん中に位置し、車とバスの専用車線)」と「慢車道(両側に位置した車線、バスの乗り降りとかあるから混雑する)」に分かれ、バイクは「快車道」に入ってはいけないことになっていた。また、「慢車道」においても、台湾のバイクライターは車間の隙が見つかったら、すぐ入り込もうとする習性があるので、車の運転手の立場から見てはものすごく危険で(掠ってしまうじゃねーかよ、おらぁ)、まさに「不上道」な感じ。まあ、「何様だ」も通じると思うが。
その半年後、今度は「機車」を「彼女(ガールフレンド)」の隠語(名詞)として周りが使い始めた。しかしこれはQianChongさんが調べたように「雞*2」とかけているのではなく、「乗る」ことにかけていると。大切な彼女だから、送り迎えで自分のバイクに乗せられているし、まあ人によってその彼女をバイクのように乗ってしまう…と。
よって「怎麼那麼機車?」は、「何だこの女は?」でもいいし、「なんてやなヤツだ。」とでもいけると思う。ここの「機車」は名詞ではないので、「女」ということは強調していない。「やなヤツ」「何だその態度は」みたいな感じの方が近いと思う。
それにしても「機車」が現れてもう十年以上にもなったのか…時の涙がこぼれてきそうだ。

*1:鼻水が止まらない、のどがすごく痛い

*2:鶏。おチンチンまたは売春婦の隠語

elielin

数年前は東京でアニメ制作進行をやってた台北在住の台湾人編集者です。おたくでもギークでもないと思うけど、そう思っているのがお前自身だけだと周りから言われています。時々中野区に出没。

2 件のコメント

  • QianChong より:

    なるほど、実際の“機車”のふるまいからきた言葉だったのですね。流行語とはいえ、奥が深いなあ。解説をありがとうございます。ところで私もまだ風邪っぴきです。お身体お大事に。

  • elielin より:

    その後また少し調べました。最初の語源はやはり台湾に使われる閩南方言、女性器を指す言葉「雞掰」と関係があるようです。「雞掰」自体は中性的な言葉だが(しかし世代が違うと卑猥な言葉とも解釈されることもある)、蔑視を込めて「やりにくい女」に指します。次第に形容詞に変わり、「厄介な」「やりにくい」にも指すようになったらしく、罵る途中睨まれたら「雞(機)……車!」とわざとずらす使い方もあったため、「機車」になったのです。上の「機車由来説」はどちらかというと、「機車」の使い方が先に出来てから、中高生や大学生に使われるうちに、新しく「やなヤツ」「彼女」の意味が重ねていった過程だと、捉えた方がいいでしょう。

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