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『A』はアジアのA①協力要請

  2005/5/67月 7th, 20225 件のコメント

それは今日の午後のこと。ネーム打ち中に全く予想のしたことない所から電話が掛かってきた。東風テレビという、台湾のテレビ局からの電話だ。電話を受けたゆみちゃん*1の話によると、うちの会社に日本のテレビ番組撮影の協力を求める内容だった。でも協力してほしい内容を聞いて、ちょっと戸惑ってしまった。
日本の漫画家を、台湾でデビューさせたいという企画だそうだ。
はい?
逆ならわかるけどね。漫画産業が不振な台湾に生まれ、漫画で食っていきたいけど、残念ながらどこでも間に合っている*2。何とか自分の才能を漫画大国日本の出版社に認めてほしいから、日本でのデビューを挑戦する台湾の若者の話なら、まあ『黄金伝説』や『電波少年』っぽい展開になるけど、それはそれで普通に番組になれるかなと思う。しかし、漫画大国日本に生まれ、「日本でデビューできないから台湾で試してみよう♪」というのは…
なめてんのかオラァ。
なんか伝達の間違いではないかと思い、とりあえず書面で企画内容を送るようにと先方に頼んでみた。一時間後メールが来て、二つの文書ファイルが添付されていた。両方とも中国語で綴られ、一つは文法のかなり怪しかった企画書で、もう一つはわりと普通に書かれていた番組紹介であった。
番組名は「A」という。
この間QianChongさんの所で情報を見かけた、あの天下の日本テレビの、ウェブカメラを使い、リアルタイムでアジアの情報提供者と会話し、司会者が久米宏あややの番組ではないか!?
早速企画書に目を通すと…一行目で「日本漫畫家在亞洲出道!!(日本漫画家がアジアでデビュー!!)」と書かれているから、伝達は間違っていないようだ。そうすると、企画自体が間違っているという可能性があるが。
しかし番組紹介(リンク先と同内容)を読むと、まあやりたいことはわからなくてもないし、アジア地域の交流や互いへの理解を促進する意思は読み取れる。そのために協力しても構わん、いや、むしろぜひ協力させてくださいと言いたいのだが、この明らかに台湾漫画市場および現状を理解していない企画は一体何でしょうか?矛盾だ。
とは思うものの、会社や雑誌の宣伝を考え、自分にもいろんな経験を積み重ねたいし、そして何よりも司会者は久米宏さんというので、大丈夫でしょうと思い、番組への協力をOKした。まあ、企画も何もかも置いといて、単純にロケを体験したい部分でもあるけど。
スケジュールを見ると、来週になって日本スタッフが来台したあと、ちゃんと先に会社まで来て前打ちしてくれるから、そのどうしても拭えない矛盾については、またその時で話を詳しく聞けばいいと思った。

*1:うちの自慢な(アニメ声)営業ウーマンです。

*2:うちは間に合ってないよ!国籍問わずelielinとコミュニケーションが取れる、やる気パルスMAXな青年を大募集中!!

elielin

数年前は東京でアニメ制作進行をやってた台北在住の台湾人編集者です。おたくでもギークでもないと思うけど、そう思っているのがお前自身だけだと周りから言われています。時々中野区に出没。

5 件のコメント

  • ゴジラ より:

    やっばりお前の所に行ったか!

    実は私が毎週欠かさず、この番組を見ている(あややのため)。
    番組の最後の告知でこの企画を知った時、
    台湾ではお前の出版社しかいないと思った(他の所は無理)。

    この番組はなかなか面白い!
    でも視聴率があまり芳しくないから、
    番組自体がやばいかもしれない。

    その後はどうした?気になると。

  • elielin より:

    お久しぶりっス!

    こっちだけではありません。東風テレビアシスタントさんの進行表をちらっと見て、うちも含めて少なくとも4社(+台北漫画工会?)は行ってます。番組見ての楽しみなのでここで出版社名を伏せますが、最大手の東立は中に入っていないとでも言っておきましょう(協力拒否された可能性が高い)

    番組HP見ると、いろいろと面白そうな切り口がそろえているんですが、なんだかアジア発「トリビア(無駄な知識)+伊東家の食卓(素人?からの提供情報とゲスト現場実演)」な感じがどうしても拭えません。一般視聴者はもしアジア諸国への関心が最初からなく、もしくはパッと見て興味が湧かなかったら、たぶん続けて見れない、と言うより最初から見ようとしないでしょう。視聴率は、この点を反映しているかもしれません。同じ仕組みでアメリカ、フランス、イタリアをやった方が、日本では視聴率を上げやすいでしょう。

    基本的にディテールは省きますが、過程中いくつか気になる(&ムカつく)点をまたボチボチ上げます。期待しないでお待ちくださいませ。

  • Ctrans より:

    ひどい企画ですね。この番組、これまで全く興味はありませんでしたが、elielinさんのエントリを拝見して、違う意味で興味がわいてきました。今週から見てみようと思います(笑)続編、とても楽しみです。

  • QianChong より:

    ううむ、日本で成功できないからアジアで……という考え方、昔からあるんですよね。確かになめてます。むかしむかし、ファンキー末吉氏が北京ロックと出会ったときのことを『北京の夏』というマンガにしているんですが、その中にも同じようなエピソードが出てきました。『A』は、アジアの話題や通訳・翻訳が興味深くて見ていますが、どちらかというとタレントのトークに重点が置かれていますよね。トークはいらんから現地映像をもっと見たいです(笑)。

  • elielin より:

    いまさらなんですが…放送前こんなもの書いてしまって、番組サイトに知られ、編集でロケしたことはおろか、存在さえも消されるのではと、今ふっと気づいたんですが…まあいいや。少し論じたいものもありますし。全五回ぐらい(?)でお送りいたします。

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