Skip to main content

今年9月の東京旅行の写真を見返している。今回は新宿で彷徨ったり、ルノアールに居座ったりのが多い。そういえば世界堂に行った。普段は1階の文房具フロアを回ったら出るのだが、今回はふと思い立って上階の画材フロアに行ってみた。すると、こぢんまりとしたスクリーントーンコーナーを見かけ、高校時代に初めて世界堂で見た大きなスクリーントーンコーナーを思い出し感慨。

時代の変化とともに、今ではほとんどの人がデジタルでトーンを貼るようになり、トーン貼りがもはや一種の伝統技法になっているかも。しかし、つい十数年前までは、トーン貼りは漫画制作において必須かつ非常に贅沢な技術だった…1枚のスクリーントーンは数百円もして、使う時は嬉しさと心の痛みを感じながら、切り取った端切れも無駄にしないよう台紙に戻していたものだ…(でも結局使いにくくて、最後には使わないまま終わることが多かった)

デジタル作画の時代になると、スクリーントーンはその役目を終えたが、使ったものでも新品でも捨てるに捨てられず…となる人は多いのだろう。自分も引っ越してからまだ整理できてない段ボールの中を探せば、もしかしたらトーンが見つかるかもしれない…

スクリーントーンの向かい側には、様々なサイズの漫画原稿用紙が置かれていて、これもまた懐かしい。今でも漫画原稿用紙を使って作画する人はどれくらいいるのだろうか。原稿用紙を使うとしても、スキャンしてデジタルでトーンを貼るのだろう。

小さな通路になっている漫画用品コーナーから離れると、富士山消しゴムの新種がまた登場したと見かけた。6種類の基本パッケージ(2色)、6種類の追加色のお守りシリーズに続いて、今回は葛飾北斎カラーで発売されていた。PLUS 社は本当に手段を選ばなぃ…あ、いいえ、その商売っ気には感心せざるを得ないね。

どうやら富士山消しゴムからの発想で、ほかのメーカー(サンスター文具)も類似商品を開発。

富士山消しゴムが縦で頂上を削り出すのに対して、シバゴムとネコゴムは「自分の好きな形に削り出す」ことをアピールしていて、削り出された形に愛着が湧き、消しゴムを大事に使いたくなるのだという。柴犬は実にかわいくて、ちょっとほしくなったが、買いだめした消しゴムは少なくとも3つ以上あると思い出し、我慢した。

最後にマスキングテープのコーナーを見回る。テープカッターやカッティングツールをチェック。かわいい動物の形をした PuniLabo シリーズのマステカッターがずらりと並んでいたからか、品揃えが以前より増えたように感じた。

テンプレート定規とカッターが一体になった薄型のカッター?板?は初めて見た。手帳に差し込んで持ち運べるという利点があり、なんだかほしい。しかし正直なところ、2022 年にバレットジャーナルを使って手帳を書いた時期を除いて、マステを使ったり買ったりするのに全く積極的ではなかったし、マステの持ち歩きもしないから、はたして使うのか?と。結局何も買わず、手ぶらで世界堂を後にした。

今回の9月中旬の東京旅行では、文房具の関連商品は新宿ハンズで 2025 年用の手帳リフィルを買っただけで、シール1枚すら買わなかった。文房具に対する物欲がこれ以上ないほど低下しているように感じた。それは、おそらく道具があまりに長持ちしていることや、ペンの替芯などの消耗品もまだ十分に在庫があったとか、また衝動買いさせるほどのかわいい/斬新的な商品がなかったからだろう。

あるいは歳か…

elielin

数年前は東京でアニメ制作進行をやってた台北在住の台湾人編集者です。おたくでもギークでもないと思うけど、そう思っているのがお前自身だけだと周りから言われています。時々中野区に出没。

コメントを残す