台湾では『金鼎奨』という、政府機構である行政院新聞局が主催する出版社を対象にした賞がある(公式サイト)。一般向け作品部門と、児童と青少年向け作品部門に分け、毎年優秀な出版物を選び出し、その出版物を出版した出版社を奨励する。賞金15万元。
で、めでたいことに、林迺晴の初の単行本、そして全力出版の初の単行本でもある『飛行倶楽部』は、第30回金鼎奨「児童と青少年向け漫画部門」に受賞することになった!
実はこの二冊、前のDTPの外注先のとんでもないミス*1で、一回め刷り上げたモノを全部破棄したとんでもない過去があった。あれで予想収益より上回る損害が出て、1刷が完売しても大損になる、という状況に陥った単行本だった。でも、出さなければならない作品と思ったので、商品としてはもう全然利益がなくでも、それでも出さなければならない、と思うから出した。幸い、見事にこの『金鼎奨』に受賞することになった。自分のこだわりが認められたのはうれしいが、その賞金がその穴を埋められることで、社長としては本当にホッとした。
林迺晴の作品を残すことによって、我々を取り巻く台湾の今も少しよい方向へ変れる、その作品をもっともっと多くの人に読ませてあげたい、というのは商売抜きでも思っている。しかし私はどこまで出来るのだろうか。まあ、やってみなきゃわからないから、やるしかないか。
とにかく、素直におめでとうを言おう。おめでとう!
*1:厳密に言うとミスとも言えないけど、とにかく雑誌用の画像データは汎用性が全くなかった。