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elielin の日常

鬱だ

  2006/8/206月 9th, 20223 件のコメント

ここんとこ台湾では二つの事件がある。大きいのが一つで、一つはニュース番組が時間の埋め合せのために作ったやつだと思うが。

大きいのは民進党元主席施明徳氏による「百萬人民倒扁(百万人民による陳水扁追放運動)」で、一人100元(日本円約300円)を出し、8月23日から9月23日まで台北総統府前のマラソン式抗議デモの資金として使おう、という運動。日本ではほとんど提起されていないが*1、台湾では連日報道されている。11日から18日まで一週間ですでに8千万元が集まった。学者や芸能人やよくわからない詩人とかも出てきて支援したりしてさ、募金の三つの振込先が全部施明徳氏の個人口座にも構わずに。もっとも、人民の蜂起を煽り、政敵を潰そうとするこのやり方はどうしてこうもうまくいける?台湾は法治国家だと思ったんだが、それは私の勘違いなのか?

もう一つは、台湾大学の心理学教授黄光國氏の「マンガとアニメに没頭する若者は大麻中毒者と同じ」、「コスプレイヤーはアホ」、そして「若者はもっと政治に関心を持ちなさい、倒扁運動に参加すればいいのに」という問題発言。個人的には、黄氏の発言ははっきり言ってどうでもいいけど*2、嫌になっているのはその後の展開だ。BBSのマンガやアニメ板では黄氏への悪口雑言がズラリと並び、そして大手漫画出版社の雑誌編集長が「10月の即売会でみんな一緒に台湾大学へ行って、黄光國に『同人誌即売会に参加しろ』と『ファンに謝れ』の要求を出そう」みたいな運動をネットで呼びかけ始めた。驚いたことに反響は上々、黄氏への抗議を応援する人が続出。

…本当はアホですということを自ら証明してどうするんだ。アホか。問題はそこじゃないだろう。

だいだいデモをして、謝ってもらって、何になるんだろう。貴重な資源やエネルギーをあんなに消耗したって、何もならないじゃないか。毎日毎日ああいうのを飽きずに繰り返して一体何を得ようとするのか。ああ、そうね、安心感が得られるかもしれない、「私は認められている」という感覚が心に満たされるかもしれないね。

ほしいものはそれだけか。

そうだったら私は何もしてあげられない気がする。私は安心感なんかいらない、不安がって何かかを作り、不安がって残し、そして不安ながらもさらに新しい何かかを作りたいんだよ。

バカか。

……原稿が全然終っていないのに、やる気も何も起こさない。この国はまさか…国に見えて実は国ではないのか。私がしていることは、単なる死に際の足掻きに過ぎないのか。

どうすればいいんだよ、ちくしょう。

*1:現在確認できたのは台湾の中央廣播電台日本語版だけ。

*2:そもそも生産性も国内経済への影響力も伴わない、完全消耗型の台湾アニメ・マンガファンは、このように批評されるのは全然おかしくないし、「倒扁運動に参加〜」を抜きにしてむしろ的の射た発言。

elielin

数年前は東京でアニメ制作進行をやってた台北在住の台湾人編集者です。おたくでもギークでもないと思うけど、そう思っているのがお前自身だけだと周りから言われています。時々中野区に出没。

3 件のコメント

  • kuonkizuna より:

    >百萬人民倒扁(百万人民による陳水扁追放運動)」で、一人100元(日本円約300円)を出し、8月23日から9月23日まで台北総統府前のマラソン式抗議デモの資金として使おう、という運動。

    つまり、「人毎1ガンプラ」って事ですね。つい、ガンプラが溢れる總統府を観たかったりします。(死)

    >貴重な資源やエネルギーをあんなに消耗したって、何もならないじゃないか。
    他に遣らなければこと一杯あるのに…両方もね。

  • QianChong より:

    何かに激しく対抗している時って、それだけで何か意味のあることをしているような気分になれますからね。デモも署名活動も、さすがにその実効性に疑いを持つ人が多くなったのか、日本ではあまり見かけなくなりました。でも、何かにつけ政治的に熱く盛り上がる台湾のほうがよほど健全じゃないか、そう思うときもありますよ。

  • elielin より:

    >kuonkizunaさん
    >ガンプラが溢れる總統府を観たかったり

    おおっ、私も見たいですね。
    そういう楽しいイベントでしたら、
    私はとりあえずMGを三台買って組立てて送りますよ。

    >QianChongさん

    …どうでしょうね…私は否定的な意見ですが(苦笑)
    政治的に熱く盛り上がる自体は別に悪くないと思いますけど、
    近年はどう見ても「ストレス発散」のみしか機能していませんし
    (最近になって、ストレスの原因さえなったと思いますが)
    御託並べと議論を勘違いしたままぶつかり続け、
    傷だらけになっても合意も得られず、空回りしています。

    デモによって世の中が変えられる時代は
    15年前にもう過ぎたと思います。
    教育、投資環境が破綻し始めた台湾には、
    このような消耗(内耗)に耐える資源はもう残り少ないです。
    この半年間は、度重なる騒動の裏では、
    政治も経済も停滞気味で、とても不吉な感じがします。
    杞憂だといいですが。

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