2002年冬フジテレビで放送された一回完結形式連続ドラマ。時代劇版「世にも奇妙な物語」のような作りだが、タモリ竹中直人が演じる陰陽師がかなり内容に入り込んでなんかするとこは少し違う…また放送当時視聴率が不調なところも違うかな。台湾の日本番組専門チャンネルで最近放送されてきて、三話あたりから視聴し始めた。いや〜、一話完結モノが好きでね。ただしエンディングテーマを歌っているMIOは、どうも私の思ったあのMIO(今は「MIQ」に改名したが)ではないことを知り、少しがっかり。
今日は九話「ゴースト」を放送。小間物屋の喜左衛門(仲村トオル)が、女房はつ(松下由樹)に先立たれて五年。喜左衛門は見合いする度にはつの幽霊に邪魔され、抗議してもはつに相手の欠点をことごとく並ばされるだけ。しかし、はつのやったことすべては、喜左衛門を思っていたからこそだった。喜左衛門を陰から守り、彼を騙し脅す悪い女を祟り撃退する…喜左衛門もどこか幽霊女房を頼りにしているが。ある事件を機に、喜左衛門は店にいるまさ(池脇千鶴)という女中を気にするようになった。働きもんで、素直で優しく、健気なまさは、はつから見ても非の打ち所のない、実に良い娘だった。そして喜左衛門はとうとう自分の気持ちをはつに打ち明け、まさは喜左衛門のためにはなる娘だと悟ったはつは、姿を見せないようになったが…うるさい幽霊女房が消えて、さぞ喜ぶのはずな喜左衛門は逆に不安になり、はつはどう思うだろう、祝ってくれるのだろうと、悩むばかり。ついに、はつの祝い言葉を得られぬまま、喜左衛門とまさは祝言をあげた…。
原作は藤沢周平の短編「遠ざかる声」(よってレギュラーの陰陽師は意図的に排除された気がする)…この原作は未読で、たぶん内容もドラマと違うと思うが、今はすごく読みたい気分。脚本は「神よ、もう少しだけ」の浅野妙子、はつと喜左衛門の微妙な心境を実にいい感じで描いてるな…と思う。大好きな人が幸せになってほしいけど、自分は(もう死んじまって)一緒に幸せになれないのが嫌!でもそれは決して、相手の不幸を願うことではないところが、やはり怪談話と同時に「ええ話」としても成り立つポイントだね。はつのような死んでもパワフルな女性になりたいね。
昨日の「雨月物語」で少し食傷気味が原因でもあるかも知れないが(いいや、富田靖子は好演したよ、すごく怖かったよ、怖いのがやだよ〜)、今日は視聴し始めた以来一番楽しめた。仲村トオルが亭主で松下由樹の幽霊女房というキャストの組み合せはとても良いので、久しぶりにドラマ見てて目うるうるしてきたよ。私ってこういう人情モノが好きみたい。
ちなみに、池脇千鶴ちゃんは本当に「女優」になったよね。いつかのASAYANでの彼女を思い出すと、その成長ぶりに感心しちゃうな。