古い古い牛肉麺ログ第二弾。台中のかなり個性的というか、強烈なクセのある牛肉麺。
本店は市中心からやや離れていて、しかも 20 年も前のオープン当時から金・土・日だけ営業だとの伝説を持つお店なので、2013 年は週に五日間営業の太原店に行った。だがこの太原店もすでに 2017 年に閉店し、いまは本店に行かないと食べれない。レア牛肉麺です。
提督府牛肉麵は 1999 年、公務員だった店主が「定年退職後の楽しみ」として、大里に開業。そのまま今に至る。看板メニューの「提督紅燒牛肉麵」のもっとも特徴的なのは、その辛くて塩っぱくて舌を痺れさせる薬膳スープ。しかも「濃さ」が選べるぶっ飛んだもの。
値段は 2013 年のもので、いまは全部 30~40 元かそれ以上アップだと考えてほしい。
「超淡」(超薄味)、「淡」(薄味)、「普通」、「重」(濃い)と四段階に分かれて、事前に情報収集してきたから、「超淡」を注文。ええ、ビビリだよ。なにせ「台中一濃い牛肉麺」だとネット界隈で崇められてきた店だから。気をつけなければあぶないんだろうよ。同行者はちょっぴとの辛さでも受け付けられない人なので「特製家常牛肉麵」、もっと安全なコンソメスープベースのを選んだとさ。
ではまず「超薄味」の提督紅燒牛肉麵。
超薄味でも普通に辛い。気持ちのいい辛さだが、サンショウが効いてて舌がちょっとヒリヒリする。漢方系香料の香ばしくておいしい匂いと相まって、汗が吹き出しても箸は進むと進む。
七年間には二回しか食べたことないが、いまこうやって写真も見ながら記録し直すだけでよみがえる、記憶に残る味――それでも「超薄味」だが。
「普通」やら「濃い」やらのが兵器だろ。
初心者はおとなしく超薄味にしよう。
麺は太麺。パンチもクセも強すぎるスープに主役を奪われがちだが、牛肉もやわらかくておいしいのだ。その場での一杯があればおなかいっぱいだが、しばらくしてからふっと思い出して、食べたくなるような一杯でもある。
好き嫌いをも轢き潰し、ひたすら記憶に刻む味――1999 年開業当時には四種類、いまでも五種類のメニューしかないこの店。20 年の時を経て、すっかり台中人の歴史の一部となれたのが、おそらくこれがその所以。
そして「特製家常牛肉麵」。
ポテト、人参、牛すね肉のカタマリ……これって、カレーだよね……
コンソメスープベースの牛肉麺にポテトを入れるのが、全台湾でもそんなにないと思うぜ……「そんなにない」と言えるほど全台湾を回ってないが。
でもおいしいよ! 薬膳スープはもちろん、牛肉は紅燒牛肉麺に置かれてるものと違って、間違いなく主役。カタマリのままで出てきた時、どういうことかよと思ったら、箸で軽く挟むだけで両断三断できるほど、ホロホロと煮えたのをアピールする演出!(と勝手に思う)
辛さが苦手で、看板メニューの紅燒牛肉麺が食べれなくても、これさえ食べてしまえば遺憾なく帰れる(と勝手に思う)
最後にいまは無き太原店の店内での一枚。
ホント、どこまでも濃いんだよね。
下は本店の情報。近いうちに本店を訪ねてみたいね。週三日営業で気まぐれ休みなんて、よそ者にはマジで難易度高いけど。
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撮影時間:2013 年 6 月 14 日
注文内容:提督紅燒牛肉麵
特製家常牛肉麵