異邦人にとって、中野北口エリアの路地はちょっとした迷宮。
雨の日。重度の方向オンチが通常運転し、普通に逆走して見慣れない路地に迷い込んだ。うろうろしていたら、看板が目に留まったミュージックカフェの隣に、おしゃれバーみたいなラーメン屋さんがあると気付いた。
なにこの隠れ家的な……看板を見てみると、「鵺」(ぬえ)との読みづらい名前のお店。店外に賞歴と雑誌の紹介記事が貼ってある。ざっと読んでから入った。
鶏白湯で有名なお店らしく、内装がまるでバーのようなわけは、もともとバーだったからだ(83 へぇ)その日にはなんとなく卵が食べたいので、特製鶏白湯そばを頼んだ。
美しい。
マスター(?)の接客は親切に丁寧。チャーシューを炙る段階で溢れる香りだけでもう幸せな気分になれる。スープが実においしい。
そして半熟卵の出来具合を見てものすごくびっくりした。この絶妙な固さは一体どうやって……うむ、大好き。あとで撮った写真を確認したら、断面の美しさはもはや芸術品。すばらしい。
あとメニューにある「キム玉ごはん」もすごく気になるが、体重も気になるので……今度シェアできる誰かさんを連れてこられたらまた頼もう。
書いててふっと「鵺」って「夜の鳥(鶏)」の意味なのかとハッとする……とにかく彼女や奥さんを連れていくと(よほど食にうるさい人でなければ)喜んでくれる店だと思う。
ロサンゼルス在住だが、仕事でプライベートでよく東京に来る友人がいる。彼も自分とほぼ同じような感じで、そのバーのような雰囲気に惹かれ、入店したらすっかり虜になったと。それから毎回東京に来る際には、ひとりでも知り合いを連れても、できるだけ鵺には訪問するみたい。そんなにこの店が好きなのかと聞いたら。
「ウィスキーも飲めるからな」
だって。
異邦人をも誘い込む魅惑な鵺、また行きたいね。
店舗情報はマップピンをクリック
撮影時間:2018 年 7 月 6 日
注文内容:特製鶏白湯そば